目から鱗の消音装置取り外し

昨日、予定通りピアノの消音装置を取り外しました。

イタリアのFursteinというピアノに購入時からついていた消音装置が故障したのでKORGの消音装置に付け替えする計画を練っていたところ、もともと品質の良いピアノなのだからその良さを消してしまう消音装置はこの際撤去してはどうかとのアドバイスをある先生(F先生)から頂きました。

なにせほあまり日本には存在しない変態的ピアノだったので単に「撤去」とは言え、作業を頼める調律師がおらず困っていたところ、F先生から山原先生をご紹介頂きこのほど無事「撤去」が終わりました。

F先生がおっしゃられていた通り、タッチ、音がまったく別のピアノになり、とても驚くとともに大変満足しています。

その様子をご紹介するということで、

取り外しを勧めてくれたピアノのF先生へのお礼のメールをコピペしました。

以下メールのコピペ。
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F先生

おはようございます。 Fursteinの消音の件ですが、昨日、山原先生にお願いして消音を無事取り外すことができました。 結果はF先生が書いておられたように まったく別の楽器に生まれ変わったような劇的な変化がありました。 腕の良い方をご紹介頂きまして本当にありがとうございました。

私のFursteinは、11年前に購入設置して以来、1年毎の 調律以外にはまったく手を入れておらず、整調、整音はまったく行っていませんでした。 これまでの私は 調律 を頼んでいれば大丈夫と思いこんでいたので。。。 恐らく 納入時調整の時も 調律しかやていなかったように思います。 それで問題ないと思っていたのですから まったく無知とは恐ろしいものですね。

全てが終わって山原先生いわく、

「ここまでひどいのは 一年に 1台か2台ですね?」

「いままでのは ピアノとは呼べませんよ」

というピアノオーナーにとっては大変お恥ずかしいことになったのですが、タッチ、音色、ダイナミクス、どれをとっても劇的に違うピアノのように生まれ変わったのを前にして ただただ呆然とするばかりでした。

懸念されていたストップレールも、消音装置自体が最初から工場できちんと設置するように設計されたものでストップレールがちゃんと別に存在していたので 何もしなくてもOKということになり、だいぶ作業が軽減されました。
それでも、朝9:30からはじめて、終了が17時過ぎですので 私の以前の感覚でいくと 「考えられない」ような時間をかけて丁寧に作業をして頂きました。 ほぼ一部始終を拝見させていただきましたが、まさに職人技という言葉がぴったりくるような素晴らしい仕事だったと思います。

2-3工程が終了する毎に 「ちょっとタッチを確認してみてください」と言われて 弾いてみるのですが、最初の2-3工程の時点で既に別物と思えるような変わりようでした。 たぶん、そのままそこで終わったとしても 「素晴らしい出来」という感想を持ったと思います。

その後も、予測をはるかに超えた仕上がりの連続でした。

 いままでのFursteinの音色も実は かなり好きだったのですが、良さが100倍になり、ちょっとなぁ と思っていた部分が1/00になったような感じです。 タッチも劇的に変わりました。 今までは 結構大味で 例えて言うならアメ車のハンドリングのような感じでしたが、今ではBMWか? と思われるような繊細なタッチです。

  高3の息子がClassicを続けているのですが、息子も私も 以前の大味なタッチになれてしまっているので、「どうぞ弾いてみてください」と言われて最初に弾いたときは 自分の感覚とまったく違う音が出てくるのでかなりビビりました。
 
 今回、レベルの高い調律師さんに1から整えていただき、自分の無知さ加減を思い知るに至ったわけですが、もとはといえば F先生のメールからはじまっているわけでして、あのメールがなかったら、多分今頃は KORGの消音ユニットをつけて ある程度は満足して使っていたのではないかなと思います。

  ただ、「最低限良いもの」を知らずに また何年か過ぎてしまったと思いますので、F先生には大変感謝しております。 何十年もピアノを弾いていて わかってるつもりだったのですが、実は何もわかっていなかったということがわかっただけでも良かったと思います。

 今後は ピアノをもっと大事にしてあげようと思っております。
 ではでは まずは ご報告まで。
 
 2008.5.18 dotchy
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以上コピペ終わり

 ネット上でも サイレントの弊害(言い切ってしまいます)について書いている記事はあまりありません。 そのなかで、がっきやのおじさんというblogで言及されていましたのでご紹介いたします。(2019/9追記–リンク切れていました)

これだけ、専門家の間では常識的なことが ネットでもあまり見かけないというのは、サイレントの仕事がある意味「おいしい仕事」だというのと、日本の住宅事情では ある意味仕方のないこと、という両面があるのでしょう。 私も丸10年間お世話になりましたからね♪

でも、本来そのピアノが持っている美しい音色とタッチを殺してしまっていることについて、少なくともオーナさんにはきちんと説明して欲しいと思います。

 そして、

 

お金と時間をかければ サイレントを取り外して素晴らしいピアノに生まれ変わることができるということも。。。。

まぁ 今まで私はピアノのことが まったくもってよくわかっていなかったということがわかりました。今回の消音装置取り外し工事では、当日の朝にピアノが置いてある部屋=リビングを思いっきり綺麗にしました。 整調してくださる調律師の方が集中して作業できるように と配慮したんですが、久々にきれいな部屋で一日過ごしてとても気持ちよかったですね。

 普段はあり得ないぐらいモノがあふれかえっていて、ホコリも凄いことになっているんですが急遽細かいものを含めてピアノと家具以外は粗方隣の部屋に強制移動。 襖を閉めてしまえばとてもシンプルな今風のリビングに変身! 

 やっぱりシンプルな部屋っていいなぁ。。。。仕事を引退したら掃除を日課にしようと心に誓ってしまいました。 因みに一晩明けたら また元に戻っていますww orz

<2019/9追記>

このFurstein SE120は2017年に新しいピアノを購入時下取り品としてドナドナされていきました。約9年間イタリア産らしい明るくてチャーミングな音色を楽しみました。ありがとうフルシュタイン!!!

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