祇園祭 粽(ちまき)の由来について

祇園祭の山鉾でお守りとして売られている粽(ちまき)の由来についてご紹介いたします。

粽(ちまき)の由来

粽は、もともと「茅まき」という名前で、茅に特別な霊がついて疫病除けのご利益があるということで各家庭の門口に吊るしていたものです。

粽が祇園祭の名物になった経緯

それでは何故それが祇園祭の名物になったかというと、

・祇園祭の山鉾は昔から各山鉾町の町衆(町の一般人)が管理運営していました。

・山鉾の維持には巨額の資金が必要で、14世紀頃までは町内(氏子圏)の富豪などが寄進したりしていたがそれだけでは足りなくなり、16世紀頃から町が行政(?)として金を出すようになり、さらに一般の人たちからも広く寄進を募るようになりました。

・そしてそのお返しとして笹の葉っぱで粽を作りお祓いをした上で疫病除けのお守りとして配ったのが始まりとされています。

・さらに巡行時に、町の人たちが二階の窓からお供え物やお金を投げ入れるお返しに鉾の上から粽を投げ返すということが定着化し、それが祇園祭の名物として有名になりました。

鉾からの粽投げが現在行われていない理由

まず、明治の初め頃までは鉾が動いているときでも粽を投げていたそうですが、その頃、動いている函谷鉾から投げられた粽を取ろうとした人が鉾の下敷きになって亡くなるという事故が起きそれを機会に「動いている鉾」からの粽投げは禁止されました。(雑誌「京都」の1973/7月号の対談記事「祇園祭あれこれ」より)

それ以降は、止まっている状態の鉾からは粽は投げても良いというルールとなりましたがご存知のように鉾は止まっている時間もかなりありますので投げる粽の数はあまり変わらなかったのではないでしょうか。

1982年までは巡行時に止まっている鉾からの粽投げが行われていましたが1983年以降は粽投げは全く行われていません。

1976年に粽投げの混乱の中で負傷者が出て、さらにその後も負傷者が続いたため安全上の理由で廃止されたのです。

昔の巡行の写真をご覧になるとわかるのですが、昔は巡行時も道には見物客が溢れかえり群衆の中をかき分けかき分け鉾が進むという状況でした。そんな状態で粽を投げるのですから事故も起きますよね。

そんなこんなで粽を投げる代わりに、各鉾の会所で粽を売るようになりました。 

粽のそもそもの由来は寄進に対しての御礼ですので粽を購入するということは祇園祭に寄進したということであり粽を購入すると自分も祇園祭に参加しているような気分に浸れますのでオススメです!!

粽を購入したらどう使うのか 一年間 門や玄関先にお守りとして飾る

一部の粽を除いて食べることは出来ません。粽を持ち帰り各家庭の門や玄関にお守りとして飾りましょう。京都市内の家では結構な確率で粽が門や玄関先に飾られています。 なるべく高い場所に飾るというのがポイントです。 山鉾ごとにご利益が変わってきますので、時々にあった粽を毎年吟味にして購入すると良いと思います。

菊水鉾の粽

粽は玄関先に飾ります

一年が過ぎて翌年の祇園祭の期間中に飾ってあった粽を八坂神社の納礼所に納めます。具体的には納礼所のポストに入れるだけですが。。。 八坂神社ではなく各鉾が粽を売っている所に持って行っても受け取っていただけます。それらはまとめて八坂神社に持って行かれて納礼所のものと一緒にお焚き上げされるとのことです。

遠方の方はどうするれば良いのかというと、基本的には、古いお札を受けてくれる(お焚き上げをする)神社があればそこに持っていっても大丈夫とのことですのでご安心ください。

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