祇園祭 南観音山の魅力 祇園祭山鉾シリーズ

祇園祭 山鉾シリーズ 今回は後祭りの南観音山をご紹介します。

名称

南観音山 (後祭)

南観音山とは

 南観音山は後祭の曳山(ひきやま)です、曳山というのは大きな車輪が付いていて人が綱を曳いて動かす山をさします。

場所は百足屋町(中京区新町通錦小路上ル)にあります。その地は昔から京都の中心地として豪商などお金持ちが多く、南観音山も贅沢な装飾で飾られ曳山で最重量の大きさも相まって後祭の中心的存在となっています。

 御神体は病や苦しみから解放してくれる楊柳観音(ようりゅうかんのん)です。巡行の際には柳の枝葉を後ろにぶら下げて進みます。すぐ近くに北観音山もあります。

北観音山-南観音山-20180724-新町御池

2018年後祭巡行 出発前 新町御池に佇む南観音山(奥)と北観音山(手前)

[保存会ウェブサイト]
オフィシャルサイトは無し

南観音山の概要

場所

中京区新町通錦小路上ル

電車の下車駅とアクセス方法

・地下鉄烏丸線烏丸駅下車
・阪急電鉄京都線烏丸駅下車

 – 地下鉄も阪急も地上への出口は共通です。24番出口(四条通り北側)から出るのが一番近いです。四条通りを西向きに歩いて南北の通り(室町通りor新町通り)を北に進み、新町通りと錦小路通りの小さな交差点を少しだけ北に進むと南観音山が鎮座しています。ホームから6-7分です。

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南観音山の歴史

・元治の大火(1864)で町所有の文書一切が焼失してしまった為よくわかっていません。同じ御神体で隣町の北観音山は文和2年(1353)の記録が残っており南観音山もその当時からあったと言われています。

・最初は屋根のない曳山でありお囃子があったかどうかは定かではありません。
・祇園祭祭礼図屏風(六曲一双、海北友雪(1598-1677)画 には囃子方が描かれています。

巡行日

後祭 7月24日

大きさ・重量

・9.54トン で 曳山最重量です。

御神体とその由来

・楊柳観音
・善財童子

 華厳経(けごんきょう)という物語(仏教の経典)があり、善財童子という少年が53人の智慧者(善知識)に教えを請う旅をして悟りを開くというストーリです。

 その智慧者の28番目が柳観音です。場所はフダラカ山という山の頂きで、そこで観音様に「喜んで人を救うこと」を学びました。そのお話に出てくる楊柳観音が御神体です。もちろん善財童子も並んでいます。

 北観音山も同じ楊柳観音を御神体としており、北観音山を上り観音、南観音山を下り観音というそうです。

何故神社のお祭りなのに仏教の観音様なのか

 八坂神社のお祭りなのに何故仏教の観音様が御神体なの? と頭が混乱してしまう方もいらっしゃるかと思います。私も最初は?マークがたくさん頭に浮かびましたが、今ではこれも祇園祭の特徴の一つだと思っています。

 祇園祭の本流は神様のお祭りですが、山鉾巡行は町衆主体のものでそれぞれの町衆が決めたストーリに沿って山鉾の飾り付けがされ、それぞれの町の歴史と共に山鉾も育ってきていて、たまたまストーリの主役が仏教にちなんだものだったということではないかと思っています。(違っていたらゴメンナサイ) とても日本人的で素敵なことだと思います。

 このことに関しては別の記事でもう少し詳しくご紹介しています。

祇園祭は仏事なのか神事なのか?
祇園祭は八坂神社のお祭りなので神事であることに間違いありませんが、お祭りを通じて色々なところに仏様由来のものがたくさん出てきます。一体これはどういうことだろうかと疑問に思っている方もたくさんいらっしゃると思います。 その理由を探ってみました...

飾り

見送り: 龍王渡海図
前掛 : 異无須織(いむすおり)/ ペルシャ絹緞通(だんつう)

2018年巡行 御池通にて南観音山

授与品

授与品というのは南観音山の会所で売っているグッズのことです。

粽、手ぬぐい、うちわ、土鈴、扇子、お守り等 があります。500円〜

ご利益

厄除け
疫病除け

搭乗拝観

あり(搭乗券購入要/500円ぐらい) 女性でもOKです。

南観音山の行事スケジュール

 ・スケジュールは毎年少しずつ変わりますので必ず再確認してくださいね。

山建て日

 この日から山の組み立てを始めます。まずは部品を専用の倉庫から出すところから。新町通のど真ん中で組み立てていくため、この日以降新町通は交通規制がかかります。

 7月19日 7:30〜

南観音山-組み立て中

組み立て中の南観音山 この大きな横向きの木は石持ちと言います。

曳き初め日

組み立てが完成するとまずは曳き初めをします。新町通の町内を数十メートル往復します。 この曳き初めには一般市民も参加可能で、早い者勝ちで綱を引くことができます。

南観音山-20180720

南観音山の曳き初めの様子

7月20日午後15:00

会所公開・授与品販売

そしていよいよ巡行前日の23日深夜まで一般公開されます。その間は、囃子方が独特のお囃子を奏でとても風情のある空間となります。 南観音山は一般の人でも山の中に入ることができます。

7月21日 10:00 〜7月23日

南観音山-20180723-夜

夜の南観音山 お囃子とこのビジュアルは本当に独特のものだと思います。

南観音山-20180723-夜

京都の夏の夜に佇む南観音山

南観音山だけのイベント

あばれ観音 7月23日 23時頃〜

 これはもう必見のイベントです。宵山の深夜に行われるため地元民かその日宿泊の方しか見ることができません。

こちらは、2018年の様子の動画です。ぜひご覧くださいね。

当blogの暴れ観音の記事も、ぜひご覧くださいね。

祇園祭 後祭宵山の深夜に暴走する神輿!! 南観音山 あばれ観音
毎年後祭の宵山(7月23日)の夜、翌日の巡行の晴天を祈願する日和神楽が終わったあとに行われる荒業で有名なイベントです。あばれ観音は、南観音山の御神体である楊柳(ようりゅう)観音像を御輿の台座に布でぐるぐる巻きにされて縛り付けられ、激しく揺すりながら新町通りの南観音山町内を走って3往復します。

山鉾巡行

7月24日の朝から巡行します。 前祭と違って出発地点は新町御池の交差点からとなります。

その他特徴

上に飾られる松の木

上に飾る松の木は京都の北方鳴滝から毎年2本届けられる。北観音山とクジ引きでどの松をとるのか決めるそうです。 柳はどこの柳なのかは当ブログではまだ調査しきれていません(わかり次第追記いたします)

南観音山の運営組織

もともと南観音山の運営は5つの大家で行われていましたが、昭和41年(1966)に資産を財団化して財団法人南観音山保存会を設立し、保存会の運営方針として「出来るだけ多くの人に参加してもらう」を掲げて開かれた運営を続けているそうです。

メッセージ

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