祇園祭の後祭の行事の一つ南観音山のあばれ観音をご紹介します。 見所はズバリ、真夏の深夜に京町家が立ち並ぶ狭い道を荒々しく疾走するお神輿です!!でんと構える巨大な南観音山との対比も魅力。
暴れ観音とは
毎年後祭の宵山(7月23日)の夜、翌日の巡行の晴天を祈願する日和神楽が終わったあとに行われる荒業で有名なイベントです。
あばれ観音は、南観音山の御神体である楊柳(ようりゅう)観音像を御輿の台座に布でぐるぐる巻きにされて縛り付けられ、激しく揺すりながら新町通りの南観音山町内を走って3往復します。 因みに楊柳(ようりゅう)観音像は病苦を消し去るというご利益があります。
このあばれ観音は、翌日の巡行の安全祈願として行われますが、一説では、すぐ近くの北観音山の女性の男性の御神体への恋心を断つためとも言われています。
舞台となる新町通りは普段は一方通行の狭い道で、両脇に何重もの見物人が詰めかける中をお神輿がかなり速いスピードで突っ走るという非常にダイナミックなシーンが展開されます。
開催場所
場所: 南観音山町内
新町通り 新町蛸薬師交差点と新町錦小路交差点との間
地図はこちら
[阪急・地下鉄の烏丸駅からの道順]
・24番出口から出て四条通りを西(向かって右)に進み二つ目の信号が新町通りとの交差点です。そこを右に曲がって1つめが錦小路との交差点です。そこまで来ると真正面に南観音山が見えると思います。
開催日時
日時: 7月23日 2018年は23時25分〜23時35分
[2018年の時間]
日和神楽通過 22:45-22:50
あばれ観音 23:25-23:35
料金
料金: フリー 観覧席等はありません、見学場所も早いもの勝ち
2018年の暴れ観音を見てきました
レポート:
2018年7月23日に観に行ってきました。
23時頃からお神輿が始まるということで余裕を見て22時30分には南観音山に到着していました。既に折り返し地点である新町通りと蛸薬師通りの交差点付近には場所取りをしている人がたくさんいました。
私は、南観音山のすぐ近くで見学することにして近くの町家のすぐ脇に陣取りました。

あばれ観音の直前の様子
御輿が通るからといってロープで規制されることもなく、時間を追うごとに人がどんどん増えていって新町通りはほぼ人で埋まっている(ギュウギュウ詰めではない)状態となりました。
22時45分頃、北の方(蛸薬師通りの方)が騒がしくなり、まず、大船鉾の日和神楽が通過していきました。 日和神楽は巡行の晴天を祈願するためのお囃子で、各山鉾のお囃子が御旅所まで出向いてお囃子を披露してまたもとの各山鉾に戻っていきます。大船鉾はこの新町通りに立つ後祭唯一の鉾で、南観音山からさらに南の四条通りを超えた場所にありますのでここを通過していくのです。
そのあとすぐに南観音山の日和神楽が帰ってきました。方々から「おかえり〜」との声がかかります。
日和神楽の様子
これで日和神楽が終わったので、次はあばれ観音の順番なのですが、ここからなかなか始まりません。23時10分ぐらいに南観音山の会所の2階が騒がしくなり、御輿を担ぐ人たちが気合いを入れたり記念写真をとったりしていました。そこからさらに15分、23時25分頃にようやくあばれ観音が始まりました。
まず、屈強な消防団の方々が道の中央にいる見物人をどかして御輿が通る道を作ります。見物人も迫力がある近くで見たいのか、一旦は後ろに下がるもののジリジリと前に出てきますので、何度か消防団の方々との押したり引いたりのあとようやく落ち着いてきました。
すると、
会所から出た御輿が南観音山の正面に出てきました。 そしてワッショイワッショイワッショイと 回ほど荒々しく御輿を揺さぶります。 見物人からも掛け声が聞こえます。
そしてそのあとは、わっしょいわっしょいの掛け声とともに全速力で北へ駆け抜けていきました。
御輿は50mほど北の蛸薬師通りとの交差点前で御輿を揺すってUターンし戻ってきます。そして、また南観音山の前で御輿をゆすり、今度は南の錦小路通りとの交差点前でUターンして戻ってきます。
これを3回繰り返して終了です。 その間約10分。そして最後に会所前にて三本締めを見学者も含めて盛大に行い終了です。
その時の動画はこちら:
私は今年が初めての見学でしたが、横で何年も経験していると思われる方がおっしゃるには、「今年のパフォーマンスは大人しかった」ということでした。 私はそれでもダイナミックな御輿の動きにかなり興奮しました。例年もっと派手にやってくれるのであれば来年また見学に来よう、そして最前列で見よう!! と心に決めたのでした。
終了時刻は23時35分前後だったと思います。
JRも阪急も大阪方面への終電は終わっています。 地下鉄はギリギリ終電には間に合いそうです。 みなさん足早に帰宅されていました。 時間帯が遅いこともあり見学者にも地元の方の比率が高いように思いました。
終了後すぐに南観音山の提灯の明かりは落とされました。翌日の巡行への緊張感を感じる瞬間です。このあと観音様は南観音山の上に運び込まれます。

あばれ観音終了後の様子
連日38度を超す猛暑が続く2018年の京都でしたが、さすがに23時頃には涼しくはありませんが暑くてたまらないというほどではなかったので1時間以上同じ場所にいても大丈夫でした。
後祭は屋台が出ないと言われていますが、南観音山の周辺ではビールなどを売る店がいくつかありました。
7月23日にホテル宿泊される方は是非あばれ観音を楽しんでくださいね。
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