みなさんこんにちは、いきなりの長編記事(初投稿時23,322文字)です。痔の手術を受けましたのでその記録となります。 最初は全てを一つの記事の中に書いたのですが、文字数が多すぎて読み込みに時間がかかりすぎた為、記事を細分化しました。この記事は全体の「まとめ」となります。
30歳前後に初めて切れ痔になりその後少しずつ悪化、45歳の時についに何度も切れ痔になった部分が肛門ポリープ化してそれが脱出するようなりました。
その後は排便後手で戻すことを繰り返し肛門ポリープも徐々に巨大化していきましたが中に戻すテクニックも手慣れて高度化し日常生活にはまったく問題を感じていませんでした。まぁ死ぬまで「だましだまし」なんとかやっていけるだろうぐらいに思っていました。
しかし、57歳の時に脱出を繰り返した肛門ポリープの根本の部分が大きな裂肛となり痛みで日常生活に支障をきたすようになり根治手術を受ける検討を開始、それでもなかなかふんぎりがつかず、60歳で定年退職する機会に根治手術を受けることを決意し、今回ようやく根治手術を受けることができました。この記事を書いている今日現在術後三週間が経過しています。
まだ完治までには程遠い状態ですが経過も順調で完治までの道筋が見えてきましたのでその一部始終を記事にして残しておきたいと思います。
術後4.5ケ月で完治に至りました。もともとの痔の状態が非常に悪く患部が規格外に大きくまた裂肛の深さも規格外だったため為完治までにかなり長くかかった症例となりましたが、主治医への信頼も揺らぐことなく治療に専念できた結果だと思います。
一般的な痔の大きさで手術した場合は2ケ月以内、遅くとも3ケ月以内には完治に至ると思いますので私の症例は特殊事例として読んで頂ければと思います。
<<追記終わり>>
私自身もネットの体験記などを参考にさせて頂きましたので痔に悩む方々へのご参考になればと思って記事を書いています。
また、この記事を読んで頂いて。
ことと、
ということを知って頂ければと思います。
>>>>2021/2/12追記
大阪肛門科診療所のお考えにつきましては、副院長の佐々木みのり先生が本を出版されました
題して「おしりを洗うのはやめなさい」です
とてもわかりやすく親しみやすい文章で書かれていますので是非ご一読を!
>>>>追記終わり
痔の経緯と最終的な症状
患者である私のProfile
手術時点で60歳。男性。仕事はデスクワークを38年間続けてきました。いわゆる昭和のモーレツサラリーマンでしたので痔に良くないことは常に網羅して生活していたと思います。
手術直前の最終的な診断(症状)
脱肛(肛門ポリープ・裂肛・切れ痔のハイブリッド型)
見た目は4つの肛門ポリープと別の一か所の切れ痔ですが、4つのポリープの大元は一つで根本部分に大きくて深い裂肛があるというもの。ポリープの根本は範囲が広く肛門の半周ぐらいに広がっていました。根本の裂肛は肛門ポリープが毎日脱出を繰り返してそのたびに傷ついて徐々に傷が深くなっていったと思われます。この傷の大きさと深さが完治までの期間が長引いた主因と思われます。
肛門科専門医に「うわぁーこれは大変立派ですね!! よくここまで育てられましたね♪」と言われたほど大きかったです。
経緯 30年来の痔の育成記録
30歳前後
トイレで無痛なのにいきなり便器が真っ赤になり、すぐに総合病院に駆け込みましたが直腸触診にて「痔です」と診断されました。軟膏を処方されましたが出血は一回きりですぐに痔のことは忘れてしまいました。 その後、こんな感じで毎年一回程度出血していましたが、そのうち出血しても驚かなくなり医者にも行かずに放置していました。その頃は出血しても放置していればそのうち治ると思っていました。実際は見えないところで少しずつ進行していたのだと思われます。
35歳
人間ドック受診年齢となり大腸スコープを初めて受けました。そこで「結構大きな痔がありますね」と言われましたが、たまに出血するだけで普段は何も症状が無いことを伝えると「では放置しておきましょう」ということになりました。 大腸スコープは3年ごとに受診しましたがそのたびに同じやりとりをしていた記憶があります。
45歳
排便後肛門に違和感を感じることが多くなり、ついに家族旅行先で排便後に違和感と激痛が続いて治らなくなってしまいました。這う這うの体(ほうほうのてい)で旅先から帰ってきてすぐに地元の肛門科を受診しました。
触診と肛門鏡による診察を終えて医師が言いました「大きな痔ですね手術でとりましょう」と。さすがに即答できずに後日またご連絡しますと言って帰ってきました。 (手術と言ってもどんな手術なのか等どの程度説明を受けたのかすら忘れてしまいました、遠い過去の話です)
診察を終えた時に外に飛び出した痔を医師が中に戻していたようで痛みはうそのようになくなっていました。その時初めて理解したのです。
飛び出していたのをもとに戻さなかったから痛かったのだと。
意を決して排便後に肛門をきれいにしてから恐る恐る指でさわってみると、ありました! ぷっくりとした感触のものが。そして指でそっと押すとスッと中に入っていきました。
「なぁーーんだ元に戻せばいいんだ♪」
それ以降、排便の都度指で元に戻す儀式を行うことになりました。 これをやっていれば日常生活に支障はなかったのです。 もちろん手術は丁重に辞退申し上げました。
ただ、出血する頻度や出血の量はだんだんとひどくなっていきました。
この頃からネットで痔についての情報を集めて、痔が良くなるサプリとかメソッドとかを結構なお金を出して次々と試してみましたがどれもまったく効果がなく徐々に「ぷっくり」の部分も大きくなっていきました。 それでも市販の薬を塗ったりしてその場限りの対症療法でしのいでいました。
ちなみに、参考情報ですが、
英国製のジェル、「K-Y」! 元に戻すときにこのジェルを塗ると非常にスムーズに元に戻ります。 無添加で無色透明無臭のジェルです。恐らくこれがあったからズルズルと手術せずにこれてしまったのかもしれません、ということでこれを使うと「手術しなくても大丈夫」と思ってしまって私のように手術のタイミングが遅れてしまう可能性もありますので諸刃の剣ですね。でも本当に痔持ちにとっては便利なクスリ?です。

私がこの商品を知ったのは57歳の時で、大阪肛門科診療所を初めて受診して、その時に頂いた「透明なジェル」がとても使いやすかったのでネットで調べてこの商品に行きついたのです。ですからこれは医師からの処方ではなくて私が勝手に見つけてきて使っていたという代物ですので何の保証もありませんのでご注意くださいね。
57歳
ついに、脱出した痔を元に戻しても痛みが取れない状態となってしまいました。とにかく常時痛い!! 寝てるときも痛くて何度も目が覚めます。50歳ぐらいからネットで地元関西の肛門科を検索して良い先生がいないか探していましたが、大阪肛門科診療所というところに目をつけていたので保険の効かない自由診療でしたがあまりの痛みに耐えかねて予約して受診することにしました。
大阪肛門科診療所では驚きの連続でした。丁寧な問診のあと触診を行い、居残り便があったのでその場で排便の指導、そして肛門鏡での診察。
先生のくだした診断は、
・大きな痔(肛門ポリープ)が4つある。根本に裂肛がみられる。
・肛門ポリープはいぼ痔ではなく排便管理をきっちりとしても小さくなることはない。よって脱出をなくすには手術が必要。ただし、このまま指で戻しても問題なければ手術しないでも良い。決めるのは患者さん。
・肛門全体が荒れていてそれが痛みの主因と思われる。
とのことでした。肛門全体が荒れている??? 先生曰く「ウォシュレットの使い過ぎと肛門を石鹸を使って洗った結果」とのこと。
なるほど、指で大きないぼ痔をもとに戻すのですから当然ウォシュレットは長い時間使っていますし、シャワーとボディシャンプーで肛門を丁寧に洗っていましたから。。。。。
それが良くないとのこと。
肛門の皮膚は非常に柔らかく敏感でその表面を皮脂が覆って保護しているのですがウォシュレットとボディシャンプーによって皮脂が洗い流されて保護膜がなくなりひどい肌荒れ状態になっていたのです。
Sザルベという大阪肛門科診療所謹製の塗り薬をその場で塗って頂き処方もされて今後毎日塗ることになりました。
シャワー時はボディシャンプーをやめてお湯だけにして、ウォシュレットの勢いを弱に設定して更に毎日肛門の荒れていたところにSザルベを塗ったところ、驚くことに三日後には痛みは消えてなくなっていました。
肛門の肌荒れによる激痛はこれで一件落着したものの、大元の大きな痔の手術をどうするかを決めなければいけませんが、喉元過ぎれば、、、という感じで、仕事が多忙だったこともあってとりあえずは先延ばししてしまいました。
手術をしようと思った理由
そこから3年経過し、出血がひどくなりほぼ毎日出血している状態でそれに伴って肛門ポリープの大きさもさらに大きくなってきていました。排便時のトイレでの作業にも時間がかかるようになり一度トイレに入ると30分以上出られないような状況となりました。これではさすがに日常生活に支障がありませんとは言えませんね。ついには自転車に乗るのも苦痛になってきました。
そこで今度は本当に手術を決意し、まずはどこの病院で手術するのかについて検討を開始しました。
検討とは言っても大阪肛門科診療所がスペシャルシード扱いで地元の専門医の中にそれを凌駕する病院がないかどうかをチェックする感じでした。
病院選び-大阪肛門科診療所を選んだ理由
結局大阪肛門科診療所を上回る病院が見つからず、当初想定通り大阪肛門科診療所で手術することにしました。
それでは、私が自由診療でお金のかかる大阪肛門科診療所を選んだ理由についてご説明いたします。
以下の記事に詳細を記載しています。

手術について
私が今回受けた「分離結紮+振り分け結紮+ポリープ切除」という手術についてご説明します。
入院手術か日帰り手術かの選択、分離結紮という手術方法について、麻酔について、投薬について別の記事にて詳しくご説明しています。

手術当日と術後の経過要約
痔の手術体験記-1 痔の手術当日
手術当日はどんな感じだったのか!!

痔の手術体験記-2 手術当日から3日間のドキュメント
日記形式にて詳細を。

痔の手術体験記-3 手術直後(術後1日目)~術後11日目まで
手術直後から結紮の糸が取れるまで

糸が取れてからしばらくは結構痛かった!
痔の手術体験記-4 術後11日~25日

痔の手術体験記-5 術後26日~32日
順調に治りつつある。

痔の手術体験記-6 術後33日~44日
最後の最後で足踏み。 生活にはまったく支障なし、でも浅くて縦に長い傷が完治せず。

痔の手術体験記-7 術後45日~55日
足踏み続きいろいろと試すがイマイチな状況。

痔の手術体験記-8 術後56日~65日
足踏み続く。

痔の手術体験記-9 術後2-3.5ケ月
足踏み続く。完全消毒法に切り替え。

痔の手術体験記-10 術後4.5ケ月 待ちに待った完治宣言

痔の手術の後のQOL(Quality of Life)を上げるTips

自由診療での痔の手術の費用について
健康保険が効かない自由診療ですのでとにかく高いです。
まずは公式Websiteの「費用」のページから。
この公式Websiteに書いてある費用には術後の診察に係る費用は書かれていません。術後は1週間に一回の診察(及び必要の都度細かな施術)が必要ですのでそれを加えると、2019/4現在の私の場合(日帰り手術で2泊3日の入院をした場合)こんな感じかと思います。
まずは初診で3万5千円ぐらい。
手術の検査で2万5千円ぐらい。
手術で42万円
入院すると一泊につき5万円
2泊3日だと15万円
術後の診察が完治まで毎回1-1.5万円
10回かかったとしてMax15万円
累計78万円
日帰り手術で私のように入院しない場合は、6万円+42万円+当日ベッド代5万円+術後診察10回15万円=68万円ということになりますね。
同様の手術を保険ですると全体で10万円前後ではないでしょうか。 この58万円の差をどう評価するかですね。
私は、自分のあまりにも大きな痔の手術を任せられるお医者さんということと、やはり真の原因と対策をわかりやすく指導して頂けて再発防止につながっていくであろうという期待感でそれ以上の値打ちがあると判断しました。
<追記>
1. 2019/7/12
2. 2019/8/8
3. 2019/8/14
8月13日に一応完治宣言が出ましたのでこれまでかかった金額を集計してみました(交通費は除く)。
・手術 570,000
・術後12回診察 154,826
合計 785,316
ということで、完治までの期間が延びましたがほぼ予想通りのコストとなりました。
<追記終わり>
たとえ手術が必要な症状だったとしても、先に大阪肛門科診療所で診察してもらい排便管理のノウハウをしっかりと習得して、地元の信頼できる病院を探してそこで保険を使って手術をするという保険と自由診療を組み合わせたやり方でも良いのではないかと思います。
そうすれば安価で手術をしてしかも便通管理も習得して再発防止にもなります。ただし、保険治療専門の医者と大阪肛門科診療所が連携してコトを運ぶみたいなことは期待しない方が良いと思います。
なにせ両者の治療に対する考え方がまったく違いますので(紹介状ぐらいは書いてくれると思いますが)。
そこのギャップは患者自らが埋めていくしかないと思いますが、大阪肛門科診療所の先生は「手術は保険を使って別のところでやります」と言っても笑顔で送り出してくれることでしょう。
どちらにせよ、治せるのか治せないのか、その前に本当に痔なのかどうかは診察してみないとわからない為、専門医の診察は欠かせません。
blog読者様とのQ&A
コメント欄にてご質問をお受けしています。ご質問とその回答を別の記事にいたしました。

まとめ
如何でしたか、これが私が受けた痔の根治治療一部始終です。私の場合、長期間ほったらかしにしていた為かなり大きくて広範囲な痔で、手術も複雑かつ傷も大きなものになりました。 治りもかなり遅い部類に入ってしまいました。
のだなと思います。 そして、
と思ったりもします。
ただ、40代の頃に出会ったとしても案外
「出残り便秘? なにそれ? 」と鼻で笑って相手にもしていなかったかもしれません。(多分このパターン)
今回とにかくギリギリセーフというような感じで手術を受けましたが、治癒半ばですが今受けておいて良かったと切実に思います。
記事を書いている今現在60歳、たかが痔の手術されど痔の手術です。 薬や麻酔などにいろんな制約もあり歳をとるほど制約にひっかかる確率が高くなるし、肝臓や腎臓の機能も落ちて薬の副作用が出やすくなるし、自然治癒の力も落ちて傷の治癒も遅くなるでしょう。何度も言いますが、
本当は40代の時に排便管理を是正して手術なしで治癒するのがベスト
だったんですが、こればっかりは後悔しても始まりません。
私が実際に大阪肛門科診療所の診察と手術を受けてみて感じたこと、それは、Websiteやblogに書かれている内容は素人にとっては非常に専門的で内容も豊富且つ深堀されていますが、お二人の先生にはその何千倍、何万倍もの知識と経験値が備わっているということです。
これは実際に診察を受けてみないとわかりませんので大阪肛門科診療所のWebsiteやblogを読んで興味を持たれた方は初診料+αを持って大阪肛門科診療所に行きましょう!
もしくは、地元の保険医療の専門医をまず受診してそこの診察結果に納得いかなかった場合の最後の砦として大阪肛門科診療所を考えておくというのでも良いかもしれません。
尚、一番最初にも書きましたが、
皆様が一日でも早く痔の辛さから解放されることを心よりお祈り申し上げます。
[参考サイト]
大阪肛門科診療所公式Website
佐々木巌先生のAmeba Blog
佐々木みのり先生のAmeba Blog
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