長年放置してきた痔の手術をしたのですが、その際にどのように病院を選んだのかをまとめてみました。
痔の手術全体のまとめはこちらです。

はじめに
たかが痔の手術ですがされど痔の手術! 手術は手術ですので病院選びは難航というかかなり迷いました。ネットで検索して検討するのですが最初は評価ポイントが整理できていなくてネットをただただ漂流して時間が過ぎていきました。手術体験談というコワイお話もたくさん読んで、痛い→早く手術したい→ヤバイコワイ→痛いに戻る をずっと繰り返していました。
もともと大阪肛門科診療所の考え方に賛同していたのですが大阪肛門科診療所は自由診療ということで手術の費用が高級なデジカメが3-4台買えてしまうぐらいかかるのです。まぁお金が惜しかったということですね。
もし近くの保険治療の病院で同じような治療方針のところがあればそちらにしたいということで必死に調べたのですがそうなると調査対象の病院がたくさんありすぎて結局、頭が混乱してしまいました。
そこで評価基準を明確にして比較することにしました。念のため申し添えますが、ここに記載する評価基準は私自身の考えであってここをお読みの皆さんに推奨するようなものではありません。あくまで個人の考えということを念頭に置いて読んでくださいね。
検討に際しての評価基準
総合病院よりも肛門科専門病院、更に痔の専門病院であれば尚良い
痔という病気が原因で死ぬような人は滅多にいませんので常に死と隣り合わせの重病人を抱えている総合病院にとっては痔という病気は相対的に「軽い病気」と言えるでしょう。一方、痔の専門病院であれば痔の治療がその病院の生業そのものです。痔の患者としてどちらの病院にかかりたいかと言えば私は痔の専門病院にかかりたいと思うわけです。
生死をさまよう重病の患者の手術を直前に控えた担当医に対して「痔の手術の後に肛門がきれいになおるように考えてもらえませんか? あとなるべく痛くないようね」とお願いすることの違和感が総合病院にはつきまといます。私がその担当医だったら「うっせーなそんな細かいことどーでもいいやろ」と思ってしまいますからね。
これはどちらが良いか悪いかではなくて単なる患者側の「趣味の問題」いや「勝手な解釈」なのかもしれませんが、やはり「気持ちの問題」として痔の専門病院に絞って検討することにしました。
ただ、痔があまりにも大きいとか、もともと内蔵の機能が落ちているとか、血がさらさらになる強い薬を飲み続けないとダメとかの制約があると大病院で手術するしか選択肢がなくなります。 歳を重ねれば重ねるほどその確率・リスクは増大します。50代ぐらいの方で手術が必要な痔持ちの方は、早めに決断した方が良いように思います。
治療方針などをWebsiteでわかりやすく表現している病院が良い
まずは、その病院そして主治医となるお医者さんがどんなスタンスで痔の治療に取り組んでいるのか知りたかったのです。一番簡単なのは実際に診察してもらうことですが複数の病院をハシゴするとかなかなかそうはいきませんよね。ですからWebsiteやSNS、Blogなどで情報を発信しているところのみを検討の対象としました。 情報を積極的に発信されている病院やお医者さんは恐らく患者に対してもきちんと説明してくれるはずという気持ちもあったと思います。
もちろんその病院のスタンスが自分の考えと合うのか合わないのかということが重要ですが、とりあえずその前に情報を積極的に発信しているかどうかで絞り込んでしまうということにしました。地元の肛門科専門医の中にネットでの情報発信が苦手で且つ素晴らしい先生がいらっしゃっても選外になってしまいますが仕方ありません。
関西圏であること
これは私が京阪神圏内に住んでいるから。
大阪肛門科診療所を選んだ理由
ということで、
いきなり大阪肛門科診療所に決定です。
他の病院の評価とかの検討内容は省略して大阪肛門科診療所を選んだ理由を書きたいと思います。
実は必死なってネットを検索して複数の病院を比較したのも高額な大阪肛門科診療所の費用を自分自身に納得させるための作業だったのかもしれません。
ということで、
大阪肛門科診療所を選んだ理由とは、
大阪の天満橋にあって自宅からDoor to Doorで1時間15分で行けること
神戸の元町にも検討対象の病院があったのですが、京都から見ると大阪と神戸とでは心理的な距離感がだいぶ違います(実際にかかる時間はあまり変わらないかもしれませんが)。
逆に京都の専門病院は別の評価基準で落ちていきました。
代々続く肛門科専門病院であること
1912年創業!! その後一貫して肛門科専業です。現(2019/4現在)医院長の佐々木巌先生は5代目の医院長です。佐々木巌先生は医局に入らずに医大卒業後すぐに肛門科で修業を重ねられた肛門科のスペシャリストです。肛門科の専門病院で入院施設も整っています。医院長の奥様の佐々木みのり先生と二人で病院を切り回しされているのも安心感があります。
情報発信量が多いこと
どこの病院でも必ずWebsiteがありますが、もちろん大阪肛門科診療所にもWebsiteと公式Blogがあります。非常にシンプルな作りですがそこを読めばこの病院が考えていることがよくわかる構造になっています。そして公式blogの方は情報量がとても多くいろいろな症例や手術方法に関する記事を読むことによって結構深いところまで理解することができます。記事を読むことよにって先生方の治療や医師としての考え方の輪郭がわかってきます。私は治療とか技術とか以前に物事全体に対する考え方に共感するところが多々ありました。
大阪肛門科診療所のお考えにつきましては、副院長の佐々木みのり先生が本を出版されました
題して「おしりを洗うのはやめなさい」です
とてもわかりやすく親しみやすい文章で書かれていますので是非ご一読を!

>>>>追記終わり
病院の痔の治療方針に共感したから
これが一番大きな理由ですね。一番重要なところですので少し詳しく説明したいと思います。
ここに大阪肛門科診療所の大きな方針が書かれています。
これに深く共感しました。出残り便が痔の原因であるという理屈は現代医学界の中では正式に認知されていないものですので、これを信じるか信じないかは患者側の判断ですけどね。
具体的に共感した部分は、
極力手術しないで治す
痔の原因が出残り便秘であるとして出残り便秘の治療をして出残り便秘が解消されれば痔が治るという考え方で治療されています。新患患者さんのうち手術を選択する患者さんは5.6%しかいないというのがすごいですね。
そして手術でしか根治できない症状だとしても手術をしたくなければ手術をしないで痔と付き合っていくやり方を一緒に考えてくれるというところにある種の凄みすら感じます。
手術を受ける受けないは最終的には患者側の判断という考え方も一貫していて気持ちが良いです。巷の肛門科では何が何だかわからないうちにベルトコンベアに乗せられているような感じで手術に至ることが多いと聞きますがまさに正反対の考え方です。
私の場合は、既に大きな肛門ポリープができていてポリープは出残り便の改善有無にかかわらずそのままの大きさで残ってしまうということで根治手術を選択しました。5.6%の仲間入りです。
肛門ポリープになっていない普通の痔であれば手術をしないで治療できたと思います。私の場合でしたら12-13年前までぐらいの症状ならば手術しないで治せたかもしれません。
出残り便が痔の主原因とし便通管理指導を主体に治療する
これについては大阪肛門科診療所のofficial Websiteにてわかりやすく説明されています。
私にとっては本当に目から鱗の話でした。
私の排便習慣はまさに居残り便再生産の習慣だったからです。仕事が忙しく、また朝も早いので排便には時間をかけたくありません。そして、仕事優先で便意があっても常に先延ばししていました。少しだけでればそれでいいや!! あとは数日分まとめて出せばよいという感じで社会人になった後ずっとやってきましたので。。。
そんな一番大きな原因をほったらかしにして、世間一般常識の痔にならない為の生活習慣や謎の対策(サウナで大汗をかいてミネラルのサプリを飲む、特殊な軟膏を塗る、鍼灸院に通う、気功の大先生の施術など結構カネと時間を使いました)を必死になってやっていたのですから治らずに逆に成長を続けたのも今なら納得できます。
おそらく世間一般の痔の原因とされている生活習慣も痔の原因の一つであるのには間違いないと思いますが、その影響度合いが出残り便に比べてかなり低いのではないかと思います。例えば、出残り便の比率が「8」でその他大勢の生活習慣の比率が「2」ぐらいなのではないかと思うのです。そして「2」の方を一所懸命になって改善してももともとの「8」がそのままだったら治っていかないという感じなのかなと思いました。
逆に「8」の出残り便が無い人であれば、「2」の生活習慣を続けていても痔にならないという理屈です。
痔によくないとされる生活習慣を続けていても痔にならない人がいるのはそういうことなんだなと合点がいきました。
これは現代医学では正式に認められた学説では無いとのことです。大発見ですよね。
出残り便悪玉説については別の記事にもう少しわかりやすく解説いたしました。

57歳の時点で大阪肛門科診療所に巡り合って出残り便悪玉説は知っていたのですが、それから3年間、実際には排便管理はほとんど真面目にしていませんでした。
肛門ポリープが既に出来てしまっているのでどんなに便通管理をしても小さくなることはありません。ですから便通管理にそんなに真剣には取り組む気分になれなかったのです。本当は便通管理をしないと逆にどんどん大きくなってしまうので便通管理は絶対にやらないといけないのですが。。。。そしてその結果、裂肛はさらに悪化してポリープも育ち続けてしまったのでした。
本当にもっと早く若い頃に便通管理の大切さに気付いていればと思いました。
痔の手術をしても再発してしまう人が多いのですが、大阪肛門科診療所の考え方だと、そもそも手術後も便通がきちんとしていないままであれば再発するのは当たり前ということになります。根治手術をしたのにその後に再発して再手術なんていやですもんね。便通管理のイロハを教えてくれて再発防止の道筋を示してくれるのが大きなポイントでした。
ジオン注射(ALTA)による手術を採用していない
最近、痔の治療法として主流になりつつあるのが注射(ALTA)での治療法です。この方法は健康保険も適用されていて、厚生労働省からも医学界からもお墨付きを貰っている安価・安全・痛みの少ない手術方法だと言われています。 私も手術方法を調べていく過程では「これは素晴らしい!!」と思ったこともありましたが、いくつか引っかかるポイントがありました。それは、
一つ目は、アルミニウムを体内に注入すること。
「保険適用になるのであればお役所も安全と認めているのだし問題ないのでは?」
そう素直に考えられる方はそれで良いと思うのですが、私は「科学で証明されたこと」や「お役所が太鼓判を押していること」が往々にして後からウソだったということを60年の人生で何度も経験しているのでジオン注射(痔)やインプラント(歯)やレイシック(目)など新しい画期的な医療手段に関してはとても懐疑的なのです。
要は、まだ「結果が出ていない」ということに尽きるのですね。30年、50年経過した時点でどうなのかがわかっていないと不安でしょうがないということなんですね。特に、虫歯や近視や痔はそれそのもので命を落とすようなものではありませんが、それが機能不全に陥ると普段の生活に大きな影響を及ぼします。
アルミニウムを体内に注射した結果、悪影響があるのかないのか、あるのであればそれがどの時点で出てくるのかがまだはっきりとわかっておらず「安全だと断言できる段階ではない」と思っているのです。
この話は、厚生労働省が認めている施術が安全ではないというなら何が安全なんだ!? という議論に発展しがちですが、あくまで「法的に安全と言われている物事」に対して個人的に懐疑的であるというだけの話ですので私が少し変わり者だということなのかも知れませんね。
二つ目は、単に注射を打つということ自体が実は非常に難しく、またそれには経験が必要ではないかということ。
実際にジオン注射は医者であれば誰もができるものではなく、専門の講習を受けたものしか出来ないとのことです。どこににどう打つのかについてのノウハウが必要な施術なのですが、人によって千差万別の痔の症状に合わせて最適な方法で注射をうつノウハウは短期間での講習では得られないであろうというのは想像できると思います。
どちらかというと熟練者に直接指導してもらいながら実践でノウハウを身に着けていく類の技術ではないかと思うのですが、実際にはそんな悠長な医療現場など皆無でしょう。
そういう「難しい治療法」だという前提で、自分の主治医がジオン注射が本当に上手い医者なのかどうかということが患者側ではわからないということ、これがジオン注射を躊躇する一番の理由です。まぁロシアンルーレットみたいなものですよね。
そんなふうにジオン注射について考えていたのですが、ほぼ同じような理由で「ジオン注射はやりません」とのことだったのでポイントが高かったのです。
もちろんジオン注射によって痔が根治されている方々もたくさんいらっしゃるのでジオン注射を否定しているわけではありません。単に私個人の考え方ということですので。
私がネットでジオン注射の情報を漁っていて気になったのが次のサイトです。


二つ目のblogのblog主は、たまたまですが、さくらももこさんの「ちびまるこちゃん」に登場する はまじ君です。 文脈とは全く関係のないことですが。。。
まぁ、いろいろあるということですね。ネットに上がっている体験記は、どちらかというとこのような「失敗体験談」が多くて「痛すぎる恐怖」をあおるような記事が多かったように思います。
もちろんうまくいったケースの記事もたくさんありましたが、基本的にうまくいったケースの場合はblogの記事にすることはほとんどないと思われるのでネット上に出ている情報は基本的には「うまくいかなかったケース」が多いということなんだと思います。
本当に、特定の記事を読んで全てを判断すべきではないというのを学習しました。
あと、その記事がいつ書かれたものであるかも注意が必要だと思います。ネットの体験談はこの記事も含めてあくまで参考程度にね!!!
自由診療ならではのきめ細かな診察と担当医との密接なコミュニケーション
保険治療だと細かい医療行為に対して点数が決まっていて、点数に見合う時間しか割いてもらえませんし、そもそも規定されていない処置方法もたくさんあると思いますがそういう保険未登録の処置は一切やってもらえず一律的な対応になってしまいます。
自由診療の「自由」とは恐らく「健康保険の点数リスト」から束縛されずに自由に診療できるという意味あいなのでしょう。
大阪肛門科診療所は自由診療ですので診察代は高いですが、それぞれの患者に合わせた柔軟な対応が可能ですし、丁寧に説明もして頂けます。排便の指導もあり診察中に何度もトイレに行く人もあるそうです。ですから当然一人当たりの診察時間も長くなります。そういう部分には保険の点数は付きませんので自由診療にするしかないというのもよくわかります。ただし、そういう部分を評価しない患者さんからは恐らくボッタクリと見られてしまうのでしょう。ですから大阪肛門科診療所の評価は極端に分かれます。Google Map上での評価も星一つと星5つの両極端ですね。私はもちろん星5つの方です。
そんなことを思っていたら大阪肛門科診療所の公式Websiteに費用について書いてあるページがありましたので是非読んでみてくださいね。
私は、大阪肛門科診療所のお医者さんは普通のお医者さんの仕事以外に肛門コンサルタントとしての仕事を同時にこなしているようなイメージを持ちました。コンサルであればこの値段ならお安いですよね!!
このキャッチフレーズに全ての思いが込められている
このキャッチフレーズは、痔の予防のぺージの下の方に書いてありました。
ノウハウと知見を総動員して極力手術を避けること。そして、手術が必要と判断してイザ手術となった場合は手術スキルも非常に高い という患者視点で考えると本当に理想的な肛門科専門医だと思いませんか?
<<続きはこちらから>>
https://biwakobase.net/2019/05/16/私が受けた痔の手術の概要/
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