祇園祭 山鉾シリーズ 今回は前祭りの四条傘鉾をご紹介します。来年の祇園祭では四条傘鉾の棒振り囃子を是非ご覧ください♪
名称
四条傘鉾(しじょうかさほこ) (前祭)
四条傘鉾とは~Dancing Children
四条傘鉾は前祭の傘鉾(ほこ)です。鉾の中では特殊で、大屋根や真木がなく見た目は「小型の山」のような姿です。丸い形をした傘が特徴です。 綾傘鉾と並んで「傘鉾」というカテゴリーに属する鉾です。因みに山鉾のカテゴリーは5つあり、
「船鉾」→ 船の形をした鉾
「傘鉾」→ 傘の形の鉾、踊り手と一緒に巡行する。一番古い形態の元祖鉾!! 四条傘鉾はこれ
「曳き山」→ 真木のかわりに真松を立てる
「舁き山」→ 人が担ぐ山。現代では人が担ぐ形態ではなく小さな車輪がついていて担ぎ手が押して巡行する
綾傘鉾とはその由来や出し物の内容からほぼ兄弟のような関係にあると言えるのではないでしょうか。
他の山鉾が山鉾本体の豪華さを競っていますが、四条傘鉾はいわゆる「出し物=風流」で勝負している珍しい鉾だと思います。
子供達が主役で演じる棒振り囃子は一度は観てみる価値あり!! かわいらしさとお囃子の厳かな感じが微妙に溶け込んでいてここでしか味わえない雰囲気を醸し出しています。
[保存会ウェブサイト]
なし
祇園祭山鉾連合会のWebsiteはこちらです。
四条傘鉾の概要
場所
[住所]
京都市下京区四条通西洞院西入傘鉾町
電車の下車駅とアクセス方法
・地下鉄烏丸線烏丸駅下車
・阪急電鉄京都線烏丸駅下車
– 地下鉄も阪急も地上への出口は共通です。24番出口が一番近い出入口です。出口から徒歩6分ぐらい。
四条通りを西向きに歩いていき信号を3つ越えて進みます。
一つ目の信号が室町通り、二つ目が新町通り、三つ目は西洞院通りです。
西洞院通りを通り過ぎてすぐの場所(四条通りの北側)に四条傘鉾が立っています。
<<注意>>
毎年宵々山から宵山にかけて出口規制が行われ時間帯によって出口専用になったり入口専用になったりしますのでご来場前に阪急電鉄のウェブサイトの「沿線お出かけ情報」を確認されることをお勧めします。
地図
大きな地図を表示四条傘鉾の歴史
四条傘鉾の肝が棒振り囃子だとすると、16世紀(1500年)には「かさはやし」という名前があがっていたそうです。
傘鉾というのは、祇園祭のもともとの目的である疫病退散の出し物の一つで、その大きな傘の下に子供が入るこによって疫病から逃れられるということから鉾として続いていたとのことです。
そんな歴史のある四条傘鉾ですが、明治5年(1872年)に突如として祇園祭から姿を消し、以降戦後にいたるまでその姿を見ることはありませんでした。
昭和50年に復興の声があがり、昭和60年に居祭りとして参加、昭和63年(1988年)に117年ぶりの復活を遂げました。
復活にあたって、棒振り囃子の復興が一番の問題で、100年を超える中断により資料が一切なくなり、伝承もとっくに途絶えていたからです。
民俗学者の偉い先生などのご尽力により、
滋賀県湖東地方(甲賀市瀧樹神社)のケントケ祭りの神事芸能が同じながれを汲むものとわかり、ケントケ祭りを元に復元されました。
滋賀県のケントケ祭りは、復興の声があがった昭和50年に花笠巡行に参加をしています。
昭和59年には四条傘鉾保存会が発足。翌年には居祭りとして巡行には参加せず宵山に登場し、昭和63年に棒振り囃子も含めて正式に巡行に参加して復活を遂げています。
巡行日
前祭 7月17日
御神体とその由来
丸い形の傘そのものがご神体として祀られています。
棒振り囃子について

四条傘鉾の子供たちによる棒振り踊り 2019宵々山

2019年宵々山での棒振り囃子の囃子方
四条傘鉾の心臓・肝とも言える棒振り囃子ですが、
素戔嗚尊(すさのおのみこと)が蘇民将来の弟の巨旦将来(こたんしょうらい)をその強欲ぶりから退治した時に、巨旦将来に仕えていた鬼たちが勝ち馬に乗って素戔嗚尊に寝返り素戔嗚尊に付き添って北天竺まで行ったという話を描いているとのことです。
実際に踊りを見てもなんのことかさっぱりわからないのですが。。。
踊りの内容からすると、祇園祭の起源の更に奥深い部分に関わっているということでなかなかどうして重要な鉾だというのがわかりますね。
実際の踊りは、棒振り、鉦(かね)、太鼓、ササラの8名一組が二組、合計16名の子供たちで構成されています。子供たちは、派手な衣装を着て棒を振り回したり楽器を演奏したりして演技します。その演技に合わせて大人の囃子方がお囃子をのせていきます。
巡行では、巡行途中に6回ほど踊りが披露されますが、お勧めは巡行ではなく、宵々山(15日)、宵山(16日)の午後7時から行う予行演習?です。夜なので比較的涼しく、ゆったりと見物できます。
構造体
他の鉾と違い大車輪や大屋根、真木などはなく山と同じように小さな車輪をつけて舁き山のようにして動かします。
大きさ・重量
・重量 0.4トン
若松
傘の頂き中心部に若松を立てます。そして赤い御幣(赤幣-あかへい)も飾ります。
飾り
胴懸 : 4面ともにインド更紗(さらさ)
授与品
授与品というのは会所で売っているグッズのことです。
四条傘鉾には会所がなく四条通にテントを張って即席の会所が出来上がっています。
ごえんわらじ飾りというお守りが人気です。他に粽もあります。
ご利益
厄除け・招副・縁結び
四条傘鉾の行事スケジュール
・スケジュールは毎年少しずつ変わりますので必ず再確認してくださいね。
鉾建て日
7月14日
比較的小さな構造体ですので短時間のうちに組み立ては終わります。
曳き初め日
曳初めはありません。
会所公開・授与品販売
会所はありませんので公開もされていません。 授与品は四条傘鉾の横で販売されています。
山鉾巡行
7月17日の朝から巡行します。
順番は毎年くじで決まりますが、
四条傘鉾は傘鉾の1番目か2番目のどちらかになります。
傘鉾は全体の7番と15番に最初から決まっていますので、
巡行時には棒振り囃子が6箇所て披露されます。
お勧めは、全てが終わって帰着後に行う最後のお囃子です。
メッセージ