祇園祭に関する講演会イベント覚え書き

京都市が主催する祇園祭に関する講演会を聴いてきましたので概要をメモっておきたいと思います。山鉾町衆の役員さんと神輿の幹事長さんによる「完全な中の人」によるお話が聞けて大変面白かったです。

1.イベントの名称

 京都市教育委員会主催
 ゴールデンエイジアカデミースペシャル
 祇園祭創始1150年記念事業 レクチャーシリーズ「祇園祭 温故知新」

2.日時 2019年9月29日(日)14:00-16:00

3.場所 京都アスニー

一つ目の演題 「鈴鹿山町衆の今昔」

 

1. 講師

鈴鹿山維持会理事長 福井藤次郎氏

2.内容(順不同)

・町衆とは、集団として表現する時は「ちょうしゅう」
 個人(人)として表現する時は「まちしゅう」という。
・山鉾町は京都市が出来るまでは今の市役所の役割も担っていた。土地の売買があった時は山鉾町に一定比率のお金が入った(税金みたいなもの)。
・現在山鉾は鷹山を含めて34ある。
・山鉾は600年の間に町間でトレードが頻繁におきていたが鈴鹿山の場所は最初から変わっていない。変わっていないのはその他、孟宗山、橋弁慶山、役行者山、長刀鉾のみ。
・前祭りと後祭りの境界線は蛸薬師通り。南は先祭り、北は後祭り。先祭りは23、後祭りは11ある。
・鈴鹿山の由来は、山形県の黒川に伝わる能の演目の一つ「鈴鹿山」を題材にしたのが始まり。
 所謂鬼退治伝説である。
・烏丸三条は昔は京都の中心地。烏丸三条の交差点南東角には「京都市道路原標」がある。
・烏丸通は細い道だったが物の集散地として栄えた。当時のメインストリートは室町通りと新町通り。
・鈴鹿山のある場所は場之町(ばのちょう)という。16世紀当時は米場があった。
・鈴鹿山の人形は本当の意味での人形(マネキン)であり女性の人形だがちゃんとバストもある。ちゃんとした人形は鈴鹿山だけ。
・蛤御門の変で町内が焼けて前祭りは全滅だったが、橋弁慶山と役行者山はちゃんと山を出した。鈴鹿山は唐びつで巡行に出た。町衆の家が焼かれても山を優先して出した心意気。

二つ目の演題 神輿渡御の担い手とその心意気

1.講師

 三若神輿会(しんよかい)幹事長
     吉川忠男氏

2. 内容

・三若とは三条台若集の略。四若は四条高瀬川船頭衆の略。錦は錦商店街。錦は昭和24年以降。
・7/16の夕刻八坂神社前に集まる担い手の数は公称2000人、実数は1300-1500人。
・中御座の神様は素戔嗚尊。素戔嗚尊は厄神(えきじん)であり一筋縄ではない神様。
・7/1の吉符入りは三若は7/1前後の一番近い日曜日に行う。八坂神社の宮司に来てもらう。三若は素戔嗚尊、山鉾で多いのは牛頭天王。
・祇園祭では素戔嗚尊=牛頭天王。
・神輿洗いは。神輿のお清め。鴨川の水でお清めする。鴨川の神様をお迎えするという意味もあるのではないか。
 宮川町の名前の由来もそこから。
・日和神楽は7/16,7/24に巡行の安全を祈願して各山鉾のお囃子が御旅所でお囃子の奉納をする。
・三若神輿会の会所はかなり西にある。神泉苑のすぐ近く。
・9/17は神幸祭(しんこうさい)は三若では「むかえ」という。
・そのあと、神輿は御旅所に鎮座する。もともと御旅所は2ケ所あったが秀吉が現在の場所にまとめた。
・9/24還幸祭(かんこうさい)は「おかえり」という。
 三条大宮は列見の辻という(役所がお神輿をチェックした?)
 四条大宮バスプールでは丹波八坂太鼓の奉納がある。
・三若は神事に対して熱い。四若は担ぐことに力を注ぐ。錦は見せるのがうまい。
・三若は差し回しが上手いが四隅を回るのは苦手。
・三若の旗振りは上手い。
・7/24夜の八坂神社への帰還が祇園祭の本当のクライマックス。
・担ぎ手は過去から色々とあった。もともとは堀川材木、千本材木商で材木を担いでいた人が神輿を担いでいた。ヤクザ→(注1 もいて、きれいごとばかりの世界ではなかった。
・組織

 三若振興会50人
   |
三若神輿連合会(800人)
   |
各地域の会(担ぎ手)

・振興会は担ぎ手に対して「担ぐ権利」と「当日の弁当」のみを与える。
 担ぎ手は神輿を担いで奉仕する。その関係のみ。皆誇りを持って担いでいる。
・法被は白色。これは死に装束として捉えているから。
・神輿弁当を手作りしているのは三若だけ。男出だけで3000食作る。
・神輿が鳴るのは「鳴管」(なりかん)という真鍮でできたものがついているから。
・御旅所に神様をお迎えしている間に鴨川の中州に納涼床を作った。これが床の始まり。
・大正時代に三若と四若の間で大乱闘発生。
・宮本組は祇園の旦那衆。
 山鉾町衆は室町の旦那衆
 神輿はアウトローの荒くれ者
 三者が合わさって初めて祇園祭が成立。
・祇園祭の構造

       八坂の神
        神事
       (Ceremony)

神輿 ←—— 相互依存 ——-→ 山鉾

       (Festival)
       神様に奉納

        観客(街の人)

・祇園祭はおらが村の祭りの集大成。みんなが自分たちが一番と思っている。

注1): 講師はヤクザとは言っていないが、講演中の「ここでは言えませんが」などの文脈から推測しています。

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